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新人の成長スピードが期待より遅く、OJTが機能していないように感じる
クライアントデータ
革新的な製造技術に成長を続けるJ社
設立:30年目 業界:メーカー 従業員数:約450名
ご相談を頂いた方:人事担当役員
ご相談内容
新卒入社の社員が思うように育っていない。今は新人を工場に配置し、OJT研修をしているが、教育方法や形式を変えた方がいいのだろうか。
背景
現場の実態を見てみると、新人の育成にあたる先輩社員は、各自の方法でOJTの指導を行っており、属人的な研修になっている。新人の成長スピードが期待より遅く感じるが、これはOJTが機能していないことが原因なのではないか。このまま新人が育たなければ、組織全体の力が低下してしまうと感じ、危機感を抱いている。OJTという形式ではなく、新人を集めて研修を行うべきなのかもしれないが、経費的にもマンパワー的にもなかなか厳しいのが現状である。できれば、OJTのまま、効果的な育成を行いたい。
原因
新人のタイプに合わせた育成ノウハウが会社に無い
上記のご相談を頂き、以下のような点について、工場責任者ならびにOJT担当者にヒアリングを行いました。
新人の育成に対する、現時点の不安材料は何か
育成にはどのような手法を用いているか
このようなヒアリングの中で、課題となって表れたのは、「OJT担当者が新人の気持ちを理解できない」「社内で教育方針や手法が共有されていないため、何が正しい育成方法なのかわからない」ということでした。
J社の担当者様は、新人研修の方法をOJTから、全体研修に変更することも検討されていましたが、私たちはJ社の負担の少ない方法で、組織力を向上していくことを狙い、OJT担当者を対象として以下のような研修をご提案しました。
解決策
-イマドキの若者を理解することで、効果的な「育成力」を身に付け、組織力全体の向上をはかる−
『指導力向上研修』
4時間という短い時間で行われた研修では、新人を育成する画一的な方法ではなく、「個別対応」にフォーカスした育成方法を習得して頂きました。個別の部下を想定しながらワークショップにも取り組んで頂いた為、より実践的な研修となりました。 また、「叱り方」については実際に苦手とされている方が多く、あまり厳しく叱りすぎると新人に辞められてしまうのではないかと懸念し、叱ることができないという悩みが多く聞かれました。自分の強みを活かした叱り方、相手のタイプに合わせた叱り方の、両面から「叱り方」を学ぶことで、実際に会社に帰ってからも「叱る」ことができそうだという声が聞かれました。 最終的には、各OJT担当者の方々が、育成に対して以前より関心を高められ、積極的に育成を行う姿勢を示したことで、工場責任者様より、今後の組織力向上に大いに役立つだろうとのお言葉を頂きました。
研修後のフォロー
新人のタイプに合わせた育成スタイルの定着と継続
研修がやりっぱなしで終わる事を避けるために、研修の最後にそれぞれ個人目標を設定して頂きました。また6カ月後に研修のポイントとなる要素を挙げ、実行できているかの自己評価と、新人からの評価を行い、個人目標と合わせて面談を行いました。個別フォローを行うことで、研修で得た事を継続的に意識してOJTに当たっていただけるようにしました。
研修成果
組織全体の育成への関心度向上
研修後のフォローミーティングでは以下のような変化が生まれたと伺いました。
新人の成長を促進させる指導方法、叱り方の確立
新人だけでなく、部下や後輩に教える文化の浸透
特に2つ目のOJT担当者の育成に対する意識の向上によって、周囲の社員に刺激を与え、全社的に部下や後輩に教える文化が生まれたのは驚いたとのコメントを頂きました。
「背中を見て育て」は通用しない
イマドキの若者と、育成担当についている社員層には、時代背景が絡んだ大きなギャップがあります。このギャップを正しく理解し、個別に対応する必要があることを認識することから、人材育成力の向上は始まり、組織力向上につながっていきます。残念ながら、この点を理解せず、「イマドキの若者は辛抱が足りない。」と画一的に決め付け、従来の育成方法を変えない育成担当者が多いのが実態です。新人の育成がうまくいかないとお困りの担当者様に、ぜひ受けて頂きたい研修です。